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12月に入りまして日増しに寒さが厳しくなり冬本番といったところですが、皮膚の乾燥によりシワやタルミが気になる時期でもあります。美容外科的なタルミの改善方法としましてはフェイスリフト手術が効果的ですが、最近では皮膚を切開しないで糸で引き上げる『スレッドリフト』を希望される患者様も多くなってまいりました。『スレッドリフト』は1998年にロシアの医師Sulamanidzeによってデザインされた糸のリフト(ロシアンリフト)が初めとされていますが、現在ではその形態や種類にも様々な方法があります。他にも、切らないフェイスリフトとしましては、『金の糸美容術』や『サーマクール』『フラクセル』などが紹介されています。あまりにたくさんの種類・方法があるので「自分にはどの方法が良いのだろう?」と、その適応を迷われていらっしゃる患者様も多いと思います。

ここでは現在行われている『スレッドリフト』を中心に、その機序・適応から、どのような方法があるのかをお話しいたします。御自身の皮膚の状態と照らし合わせて、最適な方法を見つけるための参考にして頂きたいと思います。(尚、詳細につきましてはリッツ美容外科ホームページ:トピックスの項をご覧ください)

さて『タルミ』とは何でしょうか?これは、重力の影響により皮膚や皮下組織が下方に伸展してしまった状態です。長く伸びてしまったものを短く縮めるには、物理的には2つの方法しかありません。1つは伸びた分を切り取ってつなぎ合わせてしまう方法で、いわゆる外科的なフェイスリフトがこれに当たります。もう1つは多数の個所を細かく折りたたむことによって、ブラインドやアコーデオンカーテンのように、その幅を縮めてしまうplicationと呼ばれる方法です。『スレッドリフト』はこのplicationの原理を応用しています。

さらに皮膚の直下に存在する糸の刺激で皮膚の生物学的活性が促進され、張りと弾力のある状態を保ちます。これをリバイタライジング(revitalizing)といいますが、これを応用したものが『金の糸美容術』や『サーマクール』『フラクセル』になります。また下がってしまった皮膚や皮下組織を上へ引き上げるリフティングliftingは、上方を固定して下方組織を持ち上げる方法です。加齢変化により下方移動してしまった組織を、元の位置に再移動(リポジショニングrepositioning)するわけです。『スレッドリフト』でタルミがリフトアップできる原理をまとめてみますと、次のようになります。

①リバイタライジングrevitalizing:皮膚、組織の引き締め
②プライケイションplication:皮膚、組織の折りたたみ(広義には①も②もタイトニングtighteningと考えてよいと思います)
③リフティングlifting:皮膚、組織の持ち上げ

さらに現在行われている『スレッドリフト』が、それぞれどのような効果があるかをまとめてみました。

効果

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次に『スレッドリフト』の種類ですが、糸の形状や方法で分類すると仕訳しやすいと思います。

(1)糸の材質による分類
①吸収糸: ハッピーリフトやホワイトリフトに使用される糸ですが、PDO(ポリジオキサノン)と呼ばれる生分解性ポリマーを材質としています。PDOは皮下組織内で8~12か月かけて吸収されていきます。
②非吸収糸:組織に吸収されずに、その部分に残存する糸です。APTOSやWAPTOSの糸は抗張力、組織の維持力が強いポリプロピレンpolypropyleneを材質としています。

(2)糸の長さによる分類
①短い糸:長さ10~12cm程度の糸をタルミのある皮膚に挿入いたします。糸全体に付いている細かいケバ(barbと言います)で周辺組織を糸の端々から中央部へ移動させることによって皮膚の引き締めや皮下組織の折りたたみ、タイトニングを期待する方法です。APTOSやマジックリフト、ハッピーリフトなどの名称で呼ばれています。
②長い糸:顔の上方部を固定点としまして、糸に懸かっている下方の組織を上方へ移動させて固定する方法です。たるんでいる組織の引き上げ、リフティングを行います。WAPTOSやホワイトリフト、ケーブルスーチャー、アンカースレッドリフトなどが、この方法で行われています。

(3)作用する組織による分類
①皮膚および皮下組織:真皮直下の皮下組織の浅層に作用して、タイトニングやリフティングを行います。
②深部組織:皮下の深部組織であるSMASや頬脂肪(malar fat pad)を引き上る方法です。ナチュラルリフトやケーブルスーチャーなどに使われます。

特徴

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さて『スレッドリフト』の種類や方法についてお話しいたしましたが、この分類は完全なものではありません。糸の俗称は、ことばのニュアンスにより正式名称を示したり手術方法を表現したりする場合があるからです。たとえばハッピーリフトはPromoItalia社がメーカーとなっている糸の名称ですが、吸収糸を使ったタイトニングの方法を代表してハッピーリフトと呼んでいる場合もあります。
スレッドリフトの種類を理解するためには、糸の俗称を定義づけるだけではなく、その機序や材質、方法を理解した方がより有意義であると思います。タルミの状態や程度はそれぞれに異なるものですので、その御状態に適した方法を選択して行くことが大切です。

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